FXと米インフレ指標
先週末ドル/円は2005年5月以来の103円台を示現し、それまで堅調な推移を続けていたクロス円もそろって大幅安となるなど、市場は急速にリスク警戒モードに突入しました。週前半はモノライン会社への救済計画などが表面化したことや、3月のFOMCで少なくとも0.50%の利下げが行われるとの見方に支えられ円安・株高が進行しましたが、耐久財受注など米指標が相次いで悪化を示し、バーナンキFRB議長が一部の金融機関に破綻懸念との発言したことから、市場で信用収縮懸念が蒸し返され、28日以降市場では一転してリスク回避の動きが先行しました。米インフレ指標も強い結果を示し、米景気減速とインフレ圧力が並存するリスクがドルのセンチメントを悪化させています。すでに市場では米金利の大幅利下げが織り込まれているものの、信用収縮懸念の台頭で市場の混乱が続けば、1月下旬の混乱状況の再来もありえるため、円高へ相場が振れた際もある程度余裕を持てるようリスク管理を徹底したい。FX取引、FX初心者、くりっく365、FX口座開設、FX資料請求  今週最大の注目材料は週末の米2月非農業部門雇用者数(NFP)で、市場予想は+3万人と、減少に転じた前回からわずかながら増加に転じる見通しとなっています。米新規失業保険申請件数が高水準で推移していることからNFPの上振れ期待は薄く、同失業率も5.0%台に乗せてくる公算であるため、ドル安懸念を増幅する内容に警戒する必要があります。また4年ぶりの減少となった前回分の修正値にも注目したいところ。なお米ADP全国雇用者数は先月米NFPと正反対の結果を示し、期待はずれに終わりましたが、それでもポジティブな結果に対しては、ドル売りに傾いた市場がドル買い戻しで反応する可能性が高いでしょう。  また各国の政策金利発表が相次ぐことから、金利差をにらんだ取引が想定されますが、 FXインフレ警戒姿勢を解いていないユーロ圏の相対的な優位は変わらず、利下げサイクル入りした米国、英国、カナダなどは軟調な地合いを強いられそうです。前回の欧州中央銀行(ECB)会合でトリシェECB総裁はユーロ圏景気の下振れリスクに言及し、ユーロ売りを呼び込む場面がありましたが、これまで欧州当局者から再三インフレを警戒する発言が出ていることから、ECBが利下げに動くのは難しいとの見方が優勢です。ECBは6日の会合で政策金利を4.00%に据え置くと見られています。また豪州準備銀行(RBA)は今週4日の金融政策会合で0.25%の利上げを実施する見込みで、主要通貨に対して強含みの展開が予想されますが、対円では市場のリスク回避の円買いを前に大幅な調整リスクが残存しているため、豪ドル/円買いは慎重にいきたい。豪州ではその他小売売上高やGDP、貿易収支など重要指標が目白押しであり、特にGDPについては堅調な経済成長を反映して堅調な結果を示すと予想されています。  その他にバーナンキFRB議長が4日23:00に講演予定で、5日には12地区連銀報告書(ベージュブック)の発表があり、米景気動向や住宅市場、インフレに対する記述に関心が集まります。前回予想外の悪化を示したISM非製造業景況指数は、今回景気分岐点の50を下回るも前回より改善する見通しであり、米景況感の行方に注目したい。 先週ドル/円は108円前半の高値水準から103円台へ4円以上反落する荒れ相場となり、週末には2005年3月以来の安値水準となる103円後半へ下落しました。105円や104.20円のテクニカル的な節目をあっさりと破り、年初来安値を更新したこともドル売りに拍車をかける形になりました。3月3日時点ドル/円は102円後半まで一気に安値を更新してきており、102.50円を割ってくるようだと2005年1月17日安値101.67円を試す動きが出てくると思われます。ただテクニカル的に非常に重要な節目の100円を目前に、大底を打つ可能性もあるため、一方向には動きづらく上下に神経質な展開になりそうです。FX上値は先週安値の103.80円前後が抵抗線になると見られ、105円を回復するまでは戻り売り戦略が検討されます。今週の予想レンジは101.50-105.50円。ユーロ/円は先週161.39円まで高値を更新する場面がありましたが、週末にかけて下げ幅を拡大し、特に29日にドル/円が105円を割ってくると堰を切ったように下げ足を速め157円半ばへ急落しました。21日移動平均線を下回って引けているため、トレンドは下向きであり目先は強い支持線である155円が下値のターゲットになります。154円後半にはボリンジャーバンドなど支持線が集中しており、155円を大きく割らないかぎり下値は限定的になると見られます。上昇トレンドはかろうじて維持されているため、21日線やフィボナッチを基準とした抵抗線がある157.80-158.00円を突破できれば、160円回復を視野に入れた展開も考えられそうです。今週の予想レンジは154.50-159.50円。 ポンド/円は先週213円台をつけるもその後他のクロス円同様、週後半にかけて急速に下げ幅を拡大し先月安値水準で引けとなりました。値動き自体は1月以来のレンジ内にとどまるものでしたが、今週205円を割って203円台まで年初来安値を更新。持ち合いからの下放れを明確にしてきました。今後も下落傾向が続くと200円の大台が試される可能性がありますが、RSIが売られすぎを示唆していることや、200円前後は2004-2005年にかけてもみ合った水準であり、下値のメドとして意識されやすいことから下値は堅くなると見られます。一方上値は節目の大台205円が目先の抵抗線で、この水準で頭を抑えると200.00-205.00円のレンジを形成する可能性があるので注意したい。今週の予想レンジは200.00-208.00円。  豪ドル/円は先週100円台に乗せるも、週末怒とうの売りを受けて96円台へ急落、半月の上昇分を相殺する展開に。日足で3円超の陰線引けとなり上昇トレンドの終息が示唆されていますが、下値は95円前後が強い支持ゾーンになっており、1月22日から2月28日までの上昇分(90.08円→100.48円)の半値押し水準が95.30円で、ボリンジャー下限も94.70円付近に位置しており、この水準ではいったん買い支えられる可能性が高そうです。上値は38.2%押し水準の96.50円が目先の抵抗線で、その上に21日線・90日線(ともに97.80円)や2月5日高値(97.46円)など97円半ばに抵抗ゾーンがありますが、同水準を越える勢いがあれば上昇トレンド復帰の公算が高まると見られます。今週の予想レンジは93.00-99.00円。 FX  NZドル/円もまた堅調な地合いから一転、急反落する展開となり、週末に85円を破って2月上旬の水準83円前後へ下値を拡大しました。今週3日には81円へ安値を拡大しており、下値は1月23日以来の80円割れが焦点になると思われます。ただ1月22日→2月26日の61.8%戻し82.00円が完全に破られていないため、弱気の流れを確認するには82円を引けで下回ってくる必要があります。また昨年8月以降NZドル/円は大きな持ち合いを形成しており、79.00-88.00円まで上下レンジが収束してきました。83-85円を持ち合いの中心軸とするとレンジ下限の79-80円では押し目買いを検討してもいいかもしれません。上値は先週終値と半値押し水準が重なる83円前後が強い抵抗線になり、この水準を突破できれば85円復帰も視野に入ります。今週の予想レンジは80.00-86.00円。 先週加ドル/円は110円を目前にして反落し、ボリンジャー下限の105円付近まで押し戻されて引けとなりました。週明けの3日には104円前後まで下値を拡大する場面が見られ、1月下旬から形成している持ち合いを明確に下放れするか注目されます。チャート的には1月につけた年初来安値101.80円をうかがう展開が予想され、昨年8月17日安値103.37円が目先の下値ポイントに。一方1月下旬以来のレンジ下限105円台を回復できればレンジ下抜けがダマシに終わる公算が高くなります。今週の予想レンジは102.00-107.00円。先週のスイスフラン/円は昨年12月28日以来の100円台を回復するなど強気相場が続いていましたが週末に99円台へ反落。さらに週明けの3日には98円台へ続落する動きとなりました。ただ対円主要通貨で唯一前週比プラス圏引けとなり、また21日移動平均線を上回る水準を維持しており、上昇トレンドが崩れるまでには至っていません。21日・90日移動平均線など主要な支持線が重なる98.30-50円レベルが強いサポートゾーンになっているため、同水準が破られるまでは強気を維持したいところ。今週の予想レンジは98.00-100.50円。 先週18日月曜日は東京時間からオセアニア通貨が金利上昇観測から堅調に推移。ドル/円は夕方108円台へ買い上げられるも、NY時間は米国休場のなか小動きに終始しました。  週明けの東京時間、ドル/円はほぼ前日終値水準の107.70円台で取引を開始。サブプライム損失で破綻懸念のあった英銀行ノーザンロックが一時国有化されるとの報道を受け、朝方ドル/円が108円ちょうどをつけるなど円売りが強まり、特に豪ドル/円などオセアニア通貨が強含みで推移。アジア株は概ね上昇して始まるも、午後から上げ幅を縮小。しかしドル/円は107円後半で小動きが続き、円相場への影響は限定的でした。またポンド/円はノーザンロック報道を受けてじり高の推移が続いていましたが、夕方にノーザンロックの株取引が一時停止との報が入ると市場でポンド売りが加速、FXポンド/円は211円を割って210円半ばまで急落しました。またユーロ/ドルもつれ安となって下落したためユーロ/円が上値の重い展開に。逆にドル/円は対欧州通貨でのドル買いを受けて108円台へ急伸。その後108.30円まで同日高値を更新するもロンドン市場後半には値動きが収まり、米国がプレジデントデーで休場となったNY時間は108.00-30円の狭いレンジでもみ合いに。ただオセアニア通貨は海外時間も堅調な展開が続き、豪ドル/円が98円後半まで上昇し、NZドル/円は86.04円まで高値を更新しました。ユーロ/円もNY時間になると安値から持ち直したユーロ/ドルにつれて158円後半へじり高に。またカナダ銀行(BOE)カーニー総裁がNY終盤に「近い将来さらなる金融緩和が必要」「利下げの時期と幅について検討」と述べ、追加利下げを示唆しましたが市場の反応は特に見られませんでした。